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薬とサプリメント

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漢方薬の考え方と基本

治療方剤の決定まで。
← 生体の変調⇔ (陰陽・虚実・寒熱・表裏)(六病位)(気血水)(五臓)の概念
② 表裏:病邪はどこにいるか?
体の表面、皮膚に近い所(表)間(半表半裏)消化管のあたり(裏)
(1)表証の代表処方:葛根湯 (2)半表半裏:小柴胡湯 (3)裏証:真武湯
③ 六病位:漢方医学での急性病の考え方:―陽病期→陰病期→
急性熱性疾患経過:太陽病(寒気・頭痛)⇒小陽病(食欲低下)⇒陽明病(高熱)⇒太陰病(消化器機能低下)⇒少陰病(ぐったり状態)⇒蕨陰病(重篤状態)
④ 気血水:生体を維持する3要素が体内を循環する事による。
(1)気虚の代表処方:補中益気湯 (2)気鬱:半夏厚朴湯 (3)気逆:苓桂朮甘湯
(2)血の異常:お血⇔血虚 :当帰芍薬散*加味逍遥散*桂枝茯苓丸
(3)水の異常:水の偏りを正す:五苓散*苓桂朮甘湯*猪苓湯

漢方の治療・分類

漢方薬の治療法
① 攻める治療(瀉=取り除く)⇒瀉剤
② 守る治療(補=援護、高める)⇒補剤
瀉剤を用いて補剤を用いる。→病因を取り除き、体力をおぎなう。(西洋医学的)
漢方薬の分類
① 補剤:消化機能・免疫能の賦活剤(人参・黄耆・附子)⇒人参湯・補中益気湯・八味地黄丸
② 発汗剤:病理的産物排出(麻黄・桂皮)⇒葛根湯・桂枝湯
③ 清熱剤:消炎、解熱(黄連・石膏)⇒黄連解毒湯・白虎加人参湯
④ 瀉下剤:病理的産物排泄(大黄・芒硝)⇒大黄甘草湯・大承気湯
⑤ 利水剤:利尿、利水作用(猪苓・沢瀉)⇒五苓散・猪苓湯
⑥ 中和解毒剤:免疫的な生体反応修復(柴胡・黄ごん)⇒小柴胡湯・柴胡桂枝湯
⑦ 駆お血剤:微小循環障害改善(芍薬・桃仁)⇒桂枝茯苓丸・当帰芍薬湯

漢方薬腎気 尿路不定愁訴

① 高齢者に効果が期待できる漢方薬
ⅰ(補剤) 補中益気湯・十全大補湯・六君子湯
ⅱ(温剤) 真武湯・八味地黄丸・牛車腎気丸
ⅲ(滋陰剤) 八味地黄丸・牛車腎気丸・十全大補湯
② 腎虚の諸症状
ⅰ 脱毛、白髪 ⅱ難聴、耳鳴り ⅲ皮膚の乾燥・かゆみ ⅳ痴呆、睡眠障害 ⅴ易感染症
ⅵ 腰痛、骨粗しょう症 ⅶ排尿障害、失禁 ⅶ下肢の冷え、だるさ
① のⅱ(補腎剤比較)牛車腎気丸:
四肢が冷えやすく、尿量減少、浮腫、下肢痛み
八味地黄丸:疲労・倦怠感、腰部及び下肢の脱力感、夜間頻尿 六味丸:口渇、のぼせ感有り
③ 牛車腎気丸
八味地黄丸・六味丸(①地黄・②山しゅゆ・③山薬・④沢瀉・⑤ぶく苓・⑥牡丹皮)・(⑦桂枝・⑧附子)+牛膝・車前子

漢方の捉え方(補剤とは)

① 元気がでる
② 疲労・倦怠感の改善
③ 胃腸機能改善、食欲増進
④ 免疫力↑
②ⅰ身体と心の疲れは病気への誘因 ⅱ≪だるい》の原因は・発熱、微熱がつづく・水分代謝の異常、水分の偏在
「虚」に対して、機能回復をはかる処方群
消化吸収機能賦活作用をもつ一群の処方→人参剤・黄耆剤・参耆剤 等
気(神経系の調整)+血(内分泌の調整)+水(免疫系の調整)⇔生体防御能の回復(生体のもつ復元力↑ )

風邪の漢方

(急性期)
①麻黄湯 ②葛根湯 ③小青竜湯(水様性鼻水・咳・くしゃみ・鼻閉)④桂枝湯(軽度の発熱・頭痛・肩こり)⑤香蘇散(高齢者・悪心・胃腸弱い人)⑥麻黄附子細辛湯(悪寒強い、四肢疼痛)
(亜急性期)
⑦小柴胡湯(食慾低下・弛張熱)⑧柴胡桂枝湯 ⑨竹筎温胆湯(咳と微熱が長引き、倦怠感あり、不安・不眠)
(回復期)
⑩麦門冬湯 ⑪補中益気湯
① 麻黄湯
実証タイプの悪寒・関節通が強い場合、インフルエンザ初期、時に咳、ぜい鳴、汗腺閉塞
② 葛根湯
熱性疾患の初期で悪寒、発熱、頭痛、項背部のこわばり等があって、自然発汗を伴わない場合
⑧ 柴胡桂枝湯
頸項強・胸脇苦満、こじれた風邪の頭痛・吐き気・食慾不振 又はストレスからくる腹痛
⑩ 麦門冬湯
乾性咳、咽喉の乾燥や違和感、さ声等を伴う、時に発作的に激しい咳で顔面紅潮。
⑪ 補中益気湯
胸脇苦満、食慾が湧かない等気虚症状が強い場合、比較的体力低下した人。

漢方薬 再発性膀胱炎

(イ)体質やや虚から中等度
① 猪苓湯:比較的急性期
② 猪苓湯合四物湯:再発を繰り返す
③ 八味地黄丸:初老期以降
④ 牛車腎気丸:③が効かない時
(体質虚弱)
清心蓮子飲、猪苓湯
(体質中以上)
竜胆瀉肝湯
★着目点
# 急性期で細菌感染が明らか時は抗菌剤を優先または併用
# 抗菌剤を使用しても再発繰り返す時には漢方薬使用
# 体質中等度者の第一選択は猪苓湯合四物湯
# 体質虚弱者の第一選択は清心蓮子飲

消化器疾患の漢方

Ⅰ 機能性消化不良症 FD(Fanctional Dyspepsia)に伴う上腹部症状に対する使い分け
① 六君子湯(食欲不振・胃もたれ・胃部不快感・悪心・嘔吐・下痢傾向・倦怠感)
② 安中散(+胃痛・胸やけ)
③ 半夏瀉心湯(+みぞおち痞え・げっぷ)
④ 半夏厚朴湯(+咽喉頭異常感・精神不安)
ⅱ 口渇・尿量減少「胃内停水・二日酔い・下痢・嘔吐・浮腫・暑気あたり」⇒
五苓散(水の偏りを正す)⇔
水毒:水の停滞(水腫、車酔い、悪酔い、めまい、耳鳴り、頭痛)

サプリメント禁忌・相互作用(①ひざ痛編)

よく遭遇するサプリメントの注意が必要な疾患と薬との飲み合わせをまとめてみました

グルコサミン
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】糖尿病
【相互作用のある薬】ワーファリン
【備考】
アミノ糖(グルコースにアミノ基がついたもの)
血糖・血圧・コレステロール・中性脂肪上昇の報告あり
コンドロイチン
【禁忌症】出血性疾患
【注意が必要な疾患】喘息
【相互作用のある薬】ワーファリン
抗血小板薬・NSAIDs併用にて出血リスク増大
【備考】ムコ多糖類、へパリン類似構造
ヒアルロン酸
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】なし
【相互作用のある薬】なし
【備考】高分子多糖、商品例:皇潤

サプリメント禁忌・相互作用(②痩身編)

よく遭遇するサプリメントの注意が必要な疾患と薬との飲み合わせをまとめてみました

コエンザイムQ10
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】なし
【相互作用のある薬】ワーファリン
降圧薬、抗糖尿病薬
スタチン系の副作用軽減
【備考】
ビタミン様物質でビタミンK様作用あり
血圧低下、Ⅱ型糖尿病において血糖低下
カルニチン
【禁忌症】透析、無尿症、尿毒症、慢性肝疾患
【注意が必要な疾患】てんかん
【相互作用のある薬】ワーファリン
【備考】アミノ酸の一種
α-リポ酸
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】甲状腺機能異常症
【相互作用のある薬】抗糖尿病薬併用にて低血糖
【備考】ビタミン様物質

サプリメント禁忌・相互作用(③目)

よく遭遇するサプリメントの注意が必要な疾患と薬との飲み合わせをまとめてみました

ルテイン
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】なし
【相互作用のある薬】なし
【備考】カロテノイド
白内障のリスク軽減、加齢による黄斑変性のリスク軽減
ビルベリー
【禁忌症】妊婦・授乳婦
【注意が必要な疾患】出血性疾患
【相互作用のある薬】糖尿病治療薬(低血糖)、NSAIDs・WF・抗血小板剤(出血傾向)
【備考】血糖低下作用(+)
眼精疲労・近視によい、アントシアニン類(ポリフェノールの一種)を豊富に含む
ビタミンA
【禁忌症】 妊婦
【注意が必要な疾患】 肝疾患(過剰症リスク↑)
【相互作用のある薬】
WF(ビタミンAはビタミンKに拮抗するため出血傾向↑)
レイノイド(ビタミンA誘導体)系医薬品
【備考】
脂溶性ビタミンのため過剰症に注意
目や粘膜を正常に保つ、夜盲症を防ぐ

サプリメント禁忌・相互作用④(泌尿器編)

よく遭遇するサプリメントの注意が必要な疾患と薬との飲み合わせをまとめてみました

ノコギリヤシ
【禁忌症】妊婦・授乳婦
【注意が必要な疾患】なし
【相互作用のある薬】WF・抗血小板剤(出血傾向)
経口避妊薬・ホルモン療法(影響を与える可能性あり)
【備考】
前立腺肥大症に効果のあるといわれるハーブ
ドイツでは医師の定期的な診断を受けるべきと指摘ありPSAとなるため、前立腺ガンの見落としに注意
クランベリー
【禁忌症】WF服用中のかた
【注意が必要な疾患】
腎結石の既往のあるかた(シュウ酸を多く含むためリスク)
アスピリンアレルギー(サリチル酸を多く含む)
糖尿病(大量の糖を含む)
【相互作用のある薬】WF(出血傾向)
【備考】
尿のPHを下げて細菌の繁殖をおさえる(尿路感染症)
WF服用中のかたで出血による死亡例あり

サプリメント禁忌・相互作用(⑤認知症編)

よく遭遇するサプリメントの注意が必要な疾患と薬との飲み合わせをまとめてみました

DHA
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】なし
【相互作用のある薬】WF(出血傾向)、降圧剤(過降圧)
【備考】
n-3系の多価飽和脂肪酸(まぐろ・かつお・ぶり・さば・いわしに多く含まれる)血圧を下げることがある
アラキドン酸
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】なし
【相互作用のある薬】なし
【備考】
肉・卵に含まれる多価飽和脂肪酸
高齢者が肉や卵を極端に控えるとアラキドン酸が不足し、認知症のリスクが増す
イチョウ葉
【禁忌症】オペ2週間前より休薬
【注意が必要な疾患】てんかん(CYP誘導→デパケン[C]↓→激しいけいれんで死亡例あり)
【相互作用のある薬】 WF・抗血小板剤・ブルフェン(出血傾向)
【備考】ハーブ
イブプロフェン600mg/day併用→脳出血で死亡例あり

サプリメント禁忌・相互作用(⑥アミノ酸編)

よく遭遇するサプリメントの注意が必要な疾患と薬との飲み合わせをまとめてみました

分岐鎖アミノ酸(BCAA)
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】筋委縮性側索硬化症(ALS)、メープルシロップ尿症
【相互作用のある薬】レボドパ(作用減弱)、降圧剤(過降圧)
【備考】
必須アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)
筋肉で代謝される
アルギニン
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】気管支喘息、アレルギー体質、肝硬変、心筋梗塞の既往のある方
【相互作用のある薬】バイアグラ(低血圧)
【備考】 L-体はタンパク質を構成する塩基性アミノ酸の1つ
カルニチン
【禁忌症】透析、無尿症、尿毒症、慢性肝疾患
【注意が必要な疾患】てんかん
【相互作用のある薬】ワーファリン
【備考】アミノ酸の一種

サプリメント禁忌・相互作用(⑦更年期編)

よく遭遇するサプリメントの注意が必要な疾患と薬との飲み合わせをまとめてみました

イソフラボン
【禁忌症】なし
【注意が必要な疾患】
乳がん、子宮がん、子宮内膜症、子宮筋腫などホルモンに感受性が高い状態にある方
妊娠中、授乳中
【相互作用のある薬】抗凝固薬、経口避妊薬、エストロゲン製剤、ノルバデックスなど多数
【備考】
イソフラボンは植物性エストロゲンと呼ばれる大豆イソフラボンには特定保健用食品がある(「骨の健康維持に役立つ」表示)
レッドクローバーのイソフラボンにて、CYP1A2、2C9、2C19、3A4を阻害する可能性が示唆されている
ブラックコホシュ
【禁忌症】妊娠中
【注意が必要な疾患】
ホルモン感受性のがんや既往歴
アスピリンやサリチル酸にアレルギーのある方
【相互作用のある薬】
ノルバデックスやエビスタ(エストロゲン様作用があるため)
降圧剤(過降圧)
抗血小板薬や抗凝固薬(作用増強)
【備考】
海外で関連の疑われる肝障害の事例が多数ある(2006年8月に厚生労働省より注意喚起あり)
ドイツでは使用の上限を6ヵ月としている

サプリメント禁忌・相互作用⑧不眠症編

よく遭遇するサプリメントの注意が必要な疾患と薬との飲み合わせをまとめてみました

セントジョーンズワート
【禁忌症】妊娠中、授乳中
【注意が必要な疾患】なし
【相互作用のある薬】
インジナビル(抗HIV薬)、ジゴキシン(強心薬)、シクロスポリン(免疫抑制薬)、テオフィリン(気管支拡張薬)、ワーファリン(抗凝固薬)、経口避妊薬など。理論上はもっとたくさんある。
【備考】CYP(特に1A2と3A4)が誘導され、多くの薬の効果が減弱する
バレリアン
【禁忌症】妊娠中、肝機能不全
【注意が必要な疾患】なし
【相互作用のある薬】鎮痛剤(作用と副作用を増強)
【備考】長期服用で習慣性あり
メラトニン
【禁忌症】妊娠中
【注意が必要な疾患】てんかん(発作閾値↓)緑内障(眼圧↑)糖尿病(インスリン感受性↓)
【相互作用のある薬】WF(プロトロンビン時間短縮)
【備考】
海外ではサプリメントとして市販されているが、日本国内では認められていない
医薬品に区分される成分で、医師の指示・管理の下で使用すべきである

サプリメントは無害?①

過去の事例より、「サプリメントを控えたいケース」や「効果が疑問視されているケース」を紹介します。

ウコン摂取により肝硬変悪化 60代女性死亡(2004年10月)
肝臓の働きを高めるとされるウコンを粉末にしたサプリメントの摂取がきっかけとなり、東京都内に住む肝硬変の60代の女性の症状が悪化し死亡していたことが、東京逓信病院が同病院の患者を対象に実施した調査で判明。調査では、このケースを含めて1996年以降、18人がウコンなどのサプリメントとの因果関係が疑われる肝障害を発症。
*肝硬変など、もうすでに肝臓の状態が悪い方はウコンの摂取は控えましょう。
β-カロテンによる肺がん発生率上昇(2000年9月)
SCF(ヨーロッパ食品安全委員会)の意見
① 過去30年の疫学調査により、ヒトの肺がんリスクは、カロテノイドを豊富に含む野菜や果物で低減と報告。また、血中のβ-カロテン濃度が高い集団も同様に肺がんリスクが低いと報告。
② ヒトのβ-カロテン介入試験→ヘビースモーカーがβ-カロテンを1日20mg以上摂取すると逆の効果が!
フィンランド(ATBC study):肺がんリスク18%増加
アメリカ(CARET study): 肺がんリスク28%増加、死亡率17%増加
*β-カロテンによる抗がん作用を期待するならば、サプリメントより野菜からの摂取がよいようです。

サプリメントは無害?②

過去の事例より、「サプリメントを控えたいケース」や「効果が疑問視されているケース」を紹介します。

Caサプリメントにて心血管系イベント増加(2008年1月 ニュージーランド)
健康な閉経後女性がCaサプリメントを常用すると、骨折減少作用は認められず、5年間で心血管系イベントのリスクが増加傾向を示した。さらに、心筋梗塞のみで比較すると、サプリメント摂取群の方が有意差を持って増加する。
*閉経後の女性においては、有効性と危険性を考慮すれば、Caは食事から摂取した方が良さそうですね。
抗酸化ビタミンの過剰摂取は有害?(2006年1月 アメリカ 対象:ブタ)
抗酸化サプリメントは、体内の有害な酸化ストレスを減少させ、様々な疾患や老化の予防に期待されている。しかし、健康な人が抗酸化サプリメントを過剰に摂取すると、むしろ体内の酸化ストレスを高めてしまう可能性があるという報告がなされる。
試験の対象は健康なブタで、ビタミンCとビタミンEを用い、in vitroのデータであるが、少し残念な結果。以前にも、ヒトでの抗酸化ビタミン(ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン)による冠動脈疾患への介入試験で、総死亡率が上昇する可能性が示唆されている。
*抗酸化ビタミンが、どのような状態にて有効なのか?今後の研究に期待。

サプリメント購入時の注意点2

先日、透析を受けている50代の男性より「グルコサミンを服用してもよいか?」との質問を受けました。特に飲み合わせでグルコサミンと問題になるような病態や薬はなかったのですが、「どうしてグルコサミンを摂ろうとお思いですか?」と尋ねてみると、「最近、ステロイドの服用による筋力の低下が気になるから」という答えが返ってきました。特に、ひざなどの関節炎・痛みはないとの事。筋力の低下に対しては、おそらく効果がなく、骨・筋肉に対するヒトでの評価・文献がないことを伝え、どうしても試したいのであれば、用量を守って短期間からとアドバイス。念のために、その商品の成分を聞いてみると、グルコサミンの他にコンドロイチン、マグネシウム、カルシウム。こうなると、受け答えが変わってきます。透析中の方は勝手にカルシウム・マグネシウムなどを摂ると高カルシウム血症・高マグネシウム血症を招きかねないので、今回は止めておいた方がよいだろうということになりました。

今、サプリメントは単味のものより合剤へ、1成分より身体によいといわれるものを多成分という流れがあるようです。特に売り込みの商品はその傾向が強いようです。

サプリメント購入時は主成分だけでなくその他の成分まで注意し、薬剤師へご相談ください。

子供のサプリメント

アメリカにおける子供のサプリメント利用状況と問題点

実に、30~50%!驚きの数字だった。

指摘されている問題点を以下に示す。

  • 食事からの栄養摂取量を考慮しない利用
  • サプリメント利用による栄養素の過剰摂取
  • 早期の利用とアレルギー発症の関連
  • ハーブに関して「自然=安全」という誤解、副作用・相互作用に対する低知識
  • 安全性が問題視されているハーブや、有効性が承認されていない用途での使用
日本では?
日本国内での、子供のサプリメントの利用実態に関する報告は少なく実態はつかめていないが、かなり身近なものになってきている様子。実際、「子供用」というサプリメントが販売され、「子供でも利用できる」とうたっているものもある。
しかし、それらの商品が子供にとって必要か?安全か?科学的根拠はあるのか?は確認できない。
必要なの?
国が毎年行っている栄養調査において、今の子供たちにサプリメントが必要な栄養不足は見られない。「ストレス」「野菜不足」といったことから、子供のサプリメントの必要性が強調されているが、単なるイメージに過ぎないことが多い。
アメリカと同様の問題が発生しないように、サプリメントには頼らずに、子供の食事に対しては取り組んでいただきたい。

カテキン~安全性有効性と生体内濃度

カテキンとは
緑茶や紅茶の苦味成分であり、抗酸化作用や抗菌作用が期待されている。また、「体脂肪が気になる人に適する食品」「虫歯の原因になりにくい食品」として、茶カテキンを関与成分とした特定保健用食品(トクホ)が許可されている。
食品成分の有効性・安全性を考える
茶カテキンにてDNA損傷作用が報告されている。この報告は培養細胞の実験であり、その際のカテキン濃度は100μMであった。では、ヒトが茶カテキン成分を摂取したときの血液中の濃度はといえば、0.3μM前後である。つまり、100μMなんてあり得ず、のんでも吸収されなければ意味はなく心配する必要はない。食品成分の安全性や有効性を考える上では生体内濃度、つまりどのくらい吸収されるかが問題となる。
消化吸収のデータ
サプリメントの話題では、とかく成分の話題が中心であることが多い。しかし、その成分が消化管から吸収されているのか?血液・組織で有効な濃度になっているのか?という話題を見かけることは少ない。特に、消化吸収のデータは最も重要である。なぜなら、吸収されなければ始まらないからである。

野菜が関連した健康情報の誤解釈

素材(原材料)情報と商品情報<素材→商品
個別の素材には安全性・有効性に関する科学論文・情報が多くある。しかし、個別の商品となったとき、それらの情報はメーカーにしかない。ゆえに、製品の品質や規格が最大の選択のポイントとなる。
野菜の場合[野菜→特定成分]
問題となるのは逆の考え方の場合だ。代表例が野菜である。野菜側には科学的根拠が豊富にあるが、ある野菜の特定成分を抽出・商品化した場合、その特定成分に関するデータはほとんどない。
有害な場合もある。例えば、緑黄色野菜に含まれるβ-カロチンでは、期待する効果は得られないどころか、喫煙者では肺ガンのリスクは高くなっている(サプリメントは無害1参照)。
野菜で報告されている健康情報が、ある特定成分を摂取することで代用できるとは限らないのである。

抗酸化ビタミン剤による介入試験の失望

ホモシステインとビタミンカクテルへの期待
動脈硬化惹起性のアミノ酸である血中のホモシステインを、葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12を飲むことにより下げる。
その結果、心血管疾患の発症を抑えられると期待されていた。
<代謝マップ>

メチオニン ホモシステイン システイン
ビタミンB12 ビタミンB6
葉酸
介入試験の結果
○ 葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12の投与は、血中ホモシステイン値を下げても、心疾患既往者などのハイリスク症例で心血管疾患発症を抑えられなかった。(NEJM:354.1567-1577,2006)
○ 心血管病ハイリスク女性5442人対照二重盲検試験(葉酸50mg、ビタミンB6 50mg、ビタミンB12 1mg摂取群とプラセボ群)で7.3年間の心血管イベント発症に優位差なし(JAMA2008;299(17):2027-2036)
○ 血管治療後の冠動脈疾患・大動脈弁閉鎖不全症3096人におけるホモシステイン低下療法二重盲検試験(2×2;ビタミンB12 0.4mg + 葉酸 0.8mg +/-ビタミンB6 40mg)。
ホモシステインは葉酸摂取で低下したが、葉酸とビタミンB12摂取群において、優位ではないが、血管死や事故が大きく、38ヶ月で試験中止(JAMA2008;300(7):795-804)
病態進行度?摂取方法?
代謝マップから考えると、効果を期待されていたビタミンカクテル(葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12)であったが、残念な結果だ。特に進行した症例に対しては、ホモシステインを下げるとかえって危険を示唆するかのような試験結果もある。
β‐カロテンの試験の時と同じという事も考えられる。サプリメントではなく、食品からの摂取ならば違った結果になっていたかも?

セレンがいい!その情報はどこから?

セレンとは?
ヒトにとって必須な微量元素。セレンは、抗酸化反応の重要な役割を担っており、酸化障害から生体を守る働きがある。「老化」「ガン」「生活習慣病」の予防が期待されている。
ねぎや魚介類に、セレンは多く含まれる。
セレンのサプリメント
ヨーロッパでは、ガン予防サプリメントとして注目されている。ヨーロッパ諸国では、望ましいとされるセレンの推定摂取量のレベルにまで、セレン摂取量が達しておらず、サプリメントで補うことにより、ガン予防に効果があるとの研究結果がある。
事実、ヨーロッパのガン患者のセレン血中濃度は低い。
日本では?
日本人のセレン摂取量は、ヨーロッパ諸国に比べて高く、望ましいとされるセレンの推定摂取量のレベルをはるかに超えている。セレンの有効域は狭く、セレンをサプリメントで大量に摂取すれば、日本では中毒の方が問題になる恐れがある。特に、魚介類を多く摂取している方には、セレンサプリメントは不要と思われる。

セントジョーンズワート(SJW)

和名を西洋オトギリ草ともいうこのハーブは、厚生労働省(当時の厚生省)が初めて医薬品との相互作用を公表したハーブとして、医療関係者の中では有名なハーブです。

「聖ヨハネの草」を意味し、十字軍の兵士が打身や切り傷に使用したとも言われています。

日本では98年にハーブ規制緩和によって販売されるようになりました。欧米では、気分を明るくしたり、イライラを解消するサプリメントとして人気があるハーブです

薬理作用
セロトニンなどの脳内の神経伝達物質の神経細胞への取り込みを阻害することで抗うつ効果を示すというのが有力な説と言われています。有効成分で特に調べられているものにヒペリジンとヒペリフォリンがあります。
副作用
大量に摂取した場合、重症の皮膚光線過敏症がおこることがあり、危険です。また、色白な人が摂取する場合、過度の日光照射は避けたほうがよいという報告もあります。その他の副作用として、不眠や不安、胃部不快、口渇、頭痛、めまい、皮膚のかゆみなどの報告があります。
妊婦・授乳婦は避けましょう
子宮の筋肉を緊張させるため、妊娠している方は摂取をさけましょう。また、授乳中の摂取も、乳児が無気力や昏睡になることがあるので、さけるべきでしょう。
相互作用
SJWがネガティブなイメージばかり先行するのは「医薬品との相互作用」が多い為です。多くの医薬品の添付文書の中にも登場します。 SJWが薬物代謝酵素のCYP3A4やCYP1A2を誘導してしまい、一部の医薬品の効果を弱めてしまうのです。
一部の医薬品とは?
抗HIV薬、強心薬、免疫抑制薬、気管支拡張薬、血液凝固防止薬、経口避妊薬など多岐に渡っています。
お薬を服用している方は、必ず事前に相談してください。
また、もうすでに併用してしまっている方は、急な中止により好ましくない症状がでる場合があるので、十分な注意を払いつつ中止する必要があります。
サプリメントとしてのSJW
飲み合わせが心配なサプリメントで日本ではなじみが薄いですが、欧米では抗うつ作用のあるサプリメントとして人気があります。また、ドイツでは医薬品として軽症のうつ病の治療にも使われています。急性うつ病の薬物療法のガイドラインでも、軽症の急性うつ病に対して短期的な使用が提案されるほどです。
形状
SJW含有の商品の形状には、カプセル・錠剤・チュアブル・シロップ・お茶(ハーブティー)などがあります。

セントジョーンズワート②

平成20年5月サプリメントアドバイザー フォローアップセミナーより (大阪)

先にも取り上げられたセントジョーンズワート(別名:西洋オトギリソウ 以下SJW)は、医薬品と相互作用の多いサプリメントとして有名ですので注意していますが、実際に患者さんに伺ってみても「SJW」や「うつに効果がある」というキーワードは患者さんからは聞けることは殆どありません。しかし実際には、いろいろなサプリメントに配合されていることがあるようです。

「ストレス解消」「気分すっきり」などの文言で発売されているサプリメントに配合されていることがあります。

それ以外にも、ダイエット中のストレスを抑えるために「ダイエット効果」を謳っているサプリメントにも配合されている場合もあるようですので、もう一度よく確認したほうが良さそうです。

健康食品の安全性

平成19年10月サプリメントアドバイザーフォローアップセミナー後期より (於 東京)

稀に健康食品などで副作用が出たなどと聞くことがあります。

薬はその有効性から副作用が予想されても使用されることはありますが、健康食品ではそれは許されません。

ただこれらの中にはアレルギー性の副作用で、たまたまその人の体に合わなかった「事故」的な副作用も含まれていますが、安全性に関する試験が十分に行われないまま市販されている物があるのも確かです。

「血圧が高めの方に」などと表示してある「トクホ」(特定保健用食品)は、効能効果を謳える代わりに安全性に関する試験もされてますが、医薬品のように10~15年も積み重ねた物ではありません。

同成分の「トクホ」でも形状が「液体」から「ゼリー」に変化した場合に、吸収速度・濃度が変わり生体への影響も十分考えられるので、再試験が必要だと言われています。リスクがゼロではないことを踏まえた上での理解が今後は必要になるようです。

カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の黄金比

平成19年10月サプリメントアドバイザーフォローアップセミナー後期より (於 東京)

カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)はその吸収過程においてお互いに拮抗することが認められています。

また虚血性心疾患死と食事中のCa/Mg比の関係では、Ca比率が増えると死亡率が増えるとしたデータが出ています。この二つの情報からは、Caを取りすぎるとマグネシウムの吸収率が下がり、心疾患死が増える可能性を示しています。

Mgが欠乏すると善玉であるHDLコレステロールがエステル化されず肝臓に取り込まれなくなるため動脈硬化が進展するというのが理由の一つで、栄養機能食品としてのMgには欠乏症で「虚血性心疾患」の表示が認められています。

ここでCa/Mgの比率をどれぐらいで摂ったらいいの?という話になりますが、Ca/Ma=2/1というのが相互の欠乏症を考慮したところベストな数値だそうです。
サプリメントを選ぶ時はこの比率に近い物を選んだ方が良いようです。

ダイレクトOTCと西洋ハーブ

ダイレクトOTCとは
新しい成分を含有する一般用医薬品(OTC)の新薬には2つのタイプがある。
1つが、「ガスター10」などでお馴染みのスイッチOTCだ。医療用医薬品の中で長期に使用され、安全性の高いことが確認された成分が、一般用にスイッチしたものである。
もう1つがダイレクトOTC。これはスイッチOTCとは異なり、医療用医薬品としても日本で承認された実績のない成分が直接(ダイレクト)OTCとして承認されたものである。代表的な商品として発毛剤の「リアップ」がある。
西洋ハーブのダイレクトOTC化
ダイレクトOTCとして注目されている成分に西洋ハーブがある。
本来、ダイレクトOTCは、少なくとも国内では全く新しい医薬品であるので、OTCであっても、医療用医薬品と同じ申請データ・審査が必要である。しかし、H19年3月22日の薬事食品衛生審議会一般用医薬品部会承認において、「当該国の審査当局に提出された資料で代替できる」とされた。例えば、国内データはなくともドイツで医薬品としての実績があれば・・・となるわけだ。
可能性のあるハーブとしてイチョウ、エキナセア、西洋オトギリ草、ノコギリヤシなどがある。西洋ハーブは医薬品との相互作用が少なくない。医薬品として扱われ、薬剤師に飲み合わせをチェックしてもらうことは、薬害の防止や治療薬の確実な効果発揮につながると考える。

メタボとアルコール

平成20年5月サプリメントアドバイザー フォローアップセミナーより (大阪)

メタボリックシンドローム(以下:METS)と切っても切れないアルコール。何がそんなにいけないのでしょうか?

アルコールを摂取する分だけカロリーを制限すればいいかというと、そんな単純な話ではありません。

METSの診断基準として有名な腹囲(男性:85cm/女性:90cm)は、その内臓脂肪の量がインスリン抵抗性を現わす境界線と考えていいでしょう。このインスリン抵抗性が、耐糖能異常・脂質異常症・高血圧などを引き起こすのですが、アルコールはインスリン抵抗性を増加させるのです。

METSを改善しようとして食事や運動などでがんばっても検査値が改善してこないような場合は、その本当の目的であるインスリン抵抗性の改善をアルコールが邪魔してる場合もあるかもしれません。

METSを改善しようと思う方は、必ずアルコールも減らしてみましょう。

ちなみにチューハイなどの糖分を多く含むアルコールは、インスリンを効きにくくした上でインスリンに負荷をかけているようなもので、インスリン抵抗性を効果的に増加させる組み合わせといえます。

お酒+甘いものが好きな方はご注意を。

食事が先か、運動が先か?

平成20年5月サプリメントアドバイザー フォローアップセミナーより (大阪)

METS(メタボリックシンドローム)と指摘または自覚していざ改善しようというとき、食事と運動のバランスに問題があるというのは言うまでもありませんが、じゃあ何から始めようかということになります。

METSの根本である内臓脂肪は運動によく反応して減ってくれますが、METSに至った食生活すなわち内臓脂肪の良く貯まる食事を続けたまま運動しても体重は減りません。

このまま食事の改善がない方はどうなっていくかというと2通りあると思うのですが、ひとつは運動をやめてしまいMETSが進む方と、それ以上の運動をして体重を減らす方です。

しかし後者の方は、内臓脂肪はそんなに減らず実は皮下脂肪のほうが減ってるのかもしれません。

それも悪くはないのですが、女性の場合は皮下脂肪が女性らしい体つきを作っているといえるので、望んでいたプロポーションにならないかもしれません。

以上のことから、少なくとも運動が先ではないと言えるかと思います。

もう一つのカロリー計算

体重を食事制限だけで減らそうとしてもなかなか出来ません。

現在、何カロリー摂っているか?どれくらいが適正か?

1日食べる食品の総カロリーを計算して食べる・・・なんてことは殆ど出来ません。

そこで逆の考え方ですが、1Kg体重を減らそうと思ったら1ヶ月で7000キロカロリー減らしたらいいそうです。

これを1日当たりに直すと250キロカロリー、ごはん茶碗1杯分(150g)をひかえれば1ヶ月で1kg減量できることになります。3食あたりで茶碗1杯分の制限と考えると気軽に取り組めそうです。逆に少しずつ摂りすぎると体重が増えることになります。その一口を我慢する気持ちがダイエットには必要だということが良くわかりますね。

脂質の健康機能①

平成19年5月サプリメントアドバイザー フォローアップセミナーより(於 大阪)

見える油と見えない油
脂質・脂肪・中性脂肪・脂肪酸・油脂といろいろな表現をする油。食品関係の方は油脂、医療関係の方は脂肪や中性脂肪と表現することが多いように感じます。
この油を見える油と見えない油に区別すると、見える油は日本人の脂質摂取量全体の12.3%程度で、見えない油(食品中に含まれる油)は全体の77.2%もあるそうです。
見える油を減らすのは簡単ですが(食のおいしさを損なうこともありますが)、脂質の摂取量を減らすには見えない油を減らす、つまり食生活を見直すことが重要なようです。
まずは、朝食のパンを和食に変えるなどなど。ところで、エコナ(ジアシルグリセロール)やリセッタ(中鎖脂肪酸)といった特定保健用食品は、食のおいしさを失わずに見える油を減らすのにとても有効な商品ですが、やはり、まずは正しい食生活があってこそ=見えない油を減らしてこそ、効果が出てくるようです。
油はなぜおいしい?
油自身に味があるわけではないのに、なぜおいしい、なぜ止められないのでしょうか?
油は、食品の味を丸くする、食品の「こく」に関係する、食品の油っこさを増す。つまり、それ自身には味はないが、他の食品の味つけをしているわけです。
油を摂取すると、唾液中の舌腺リパーゼにより一部分解された脂肪酸が舌の味覚細胞の「ミライ」を刺激し、胆嚢が収縮、胆汁酸が放出されて脂肪酸の吸収を助けます。
実はこの信号、脳にも届けられます。そして、他の味覚を格段においしく感じさせる、一種の興奮状態をもたらすそうです。
「共存するものを美味しく感じさせることが油の美味しさである。」そして、「おいしい」が「欲しい」に変わってゆく。食事療法はなかなか難しそうです。
日本人の中年男性の肥満の本当の原因は?
過去20年にわたり総エネルギー摂取量も脂質エネルギー摂取量もほとんど変化していないそうです。
ですが、日本人の中年男性の肥満は増加の一途にあります。脂質以外の、例えば、運動不足などが本当の原因なのかもしれませんね。

脂質の健康機能②

平成19年5月サプリメントアドバイザー フォローアップセミナーより(於 大阪)

植物ステロール
コレステロールは食すると50%は吸収されてしまいますが、植物ステロールはどんなに吸収されても5%以下。さらにコレステロールと混合ミセルを形成することによって、コレステロールは吸収されず、体外へ排泄されるといった優れもの。ただし、脂溶性ビタミンの排泄も促してしまうのが難点。特に、β-カロテンのようなサプリメントではなく食品からの摂取が望まれている抗酸化作用のあるビタミン様物質が大きく影響を受けるようです。
植物ステロール配合の特定保健用食品をお使いの方は、野菜をしっかり摂るようにしましょう。
マーガリンは危ない?
脂肪酸のほとんどはシス型という構造をしています。このシス型は一般的に酸化を受けやすいといわれています。この酸化安定性を高めるためにトランス型へ加工された食品の代表がお馴染みのマーガリンです。
トランス酸(トランス型脂肪酸)は虚血性心疾患に問題ありとの報告をうけ、米国においてトランス酸の規制が始まっています。摂取量に依存してLDL-Cを上昇させ、さらにHDL-C低下させる。飽和脂肪酸よりたちが悪く、その他、PGに転換されずに正常なアラキドン酸カスケードを妨害する、細胞膜を不安定にするなどとも言われています。
日本においても、「急性心筋梗塞予防のための昔の栄養指導」の「バターはコレステロール値を上げるので、マーガリンに替える」は間違いであるとの見解をされる方が多いようです。しかし、諸外国と比較して、日本人のトランス酸の摂取量は少なく、リノール酸の摂取割合は高い。実はトランス酸の血清コレステロール濃度への影響はリノール酸の摂取量に依存することが判っており、日本人ではトランス酸の影響は低いとみなされていて、食品安全委員会も同様のコメントを出しています。
では、「日本人にとってマーガリンは危ないの?」ですが、和食中心の方には全く問題ないと思われます。アメリカ人のように、週に1、2回くらいは魚を食べてと勧告されそうな食生活の方には注意が必要なのではないでしょうか?

脂質の健康機能③

平成19年5月サプリメントアドバイザー フォローアップセミナーより(於 大阪)

オレイン酸ブーム
かつてリノール酸ブームがありました。その理由はリノール酸が必須脂肪酸であり、血中のコレステロールを低下させると期待されたからでした。結果、飽和脂肪酸の多い動物性脂肪から植物油(ベニバナ油やコーン油)へ。しかし、このリノール酸、摂りすぎると悪玉コレステロールのLDL-Cだけではなく、善玉コレステロールのHDL-Cまで下げてしまう。そこで、注目されているのが、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸です。
地中海沿岸地方の人々は、かなり多くの脂肪を摂取しているにも関わらず、冠動脈性心疾患が少ないことからオリーブオイルが注目されました。オレイン酸には、リノール酸のように善玉コレステロールまで下げてします事はないと言われています。さらに2004年11月アメリカFDAより、オリーブオイルには冠動脈性心疾患のリスクを低減する可能性があるといった健康表示が許可されています。
日本においてもこの流れを受け、植物油(リノール酸)からオリーブオイル(オレイン酸)へ置き換わるケースが増えているようですが、残念ながら、日本人におけるデータはなく、実はオレイン酸のようにコレステロールを下げるといったデータすらないのが現状です。
日米間での脂質摂取状況の違い
日本における脂質摂取量は先進諸国の中でも非常に少なく、脂質の構成も、P/S比が高くn-6/n-3比が低い、と特徴的です。また、国民の健康状態もよく、平均寿命も最長。世界最高水準の脂質摂取状況といえます。
~日米間の脂質摂取状況の違い~
脂質 総脂質 P/S比 n-6/n-3比 トランス酸
アメリカ 35en%程度 0.5%程度 15程度 2en%程度
日本 25en% 141en%程度
アメリカではほとんどn-3系脂肪酸の欠乏状態であり、週に1~2回くらいは魚を食べるように勧告されています。今、アメリカで騒がれているトランス酸よりむしろこちらの方が深刻のように思えます。
このように脂質摂取状況が異なる外国の情報を、日本人にそのまま適用することは無理があると思われます。

脂質の健康機能④

平成19年5月サプリメントアドバイザー フォローアップセミナーより(於 大阪)

n-3系脂肪酸
今、話題の脂肪酸と言えば「EPA・DHA」でしょう。
EPAの機能としては、中性脂肪を下げる・血栓症予防などなど。またDHAの機能として、ボケ防止・学習機能の向上が期待されています。今の粉ミルクにはDHAが配合されているそうです。
~必須脂肪酸の代謝経路~

肉・植物性油 魚・シソ科植物
リノール酸 α-リノレン酸
γリノレン酸
ジホモγリノレン酸 アラキドン酸 EPA→DHA
PG1シリーズ PG2シリーズ PG3シリーズ
(n-9系) (n-6系) (n-3系)
これらはn-3系脂肪酸で魚(特に青魚)に多く含まれています。上記カスケードにおいて、右に行くほど不飽和結合の数が多く、過酸化しやすく取り扱い困難とされています。
例えば、魚油同様にn-3系のシソ油はサラダにはよいが加熱用には向きません。
DHAも酸化を受けやすく、その効果を発揮するには抗酸化物質と一緒に取ると効果的と言われています。
愛知県大府市在中40-79歳の男女2,200人対象に3日間摂取した食品を解析し、抗酸化作用のあるイソフラボン摂取状況とDHA摂取状況でグループ分けをし、IQを見てみると
~イソフラボンとDHA摂取量とIQ~

イソフラボン+DHA→106.4
イソフラボンだけ →102.1
DHAだけ →103.1
どちらも摂取なし →102.6
となり、DHAを摂るときには大豆を一緒に摂ると効果的なようです。

脂質の健康機能⑤

平成19年5月サプリメントアドバイザー フォローアップセミナーより(於 大阪)

アラキドン酸
最近、注目を集めている脂肪酸にアラキドン酸があります。アラキドン酸は、脳、肝臓、腎臓など、ヒトのあらゆる組織を構成する主要な必須脂肪酸で、特にレバーや卵黄に多く、その他に魚介類などに含まれています。最近、このアラキドン酸が記憶などの脳の働きに重要や役割を果たすことが指摘され、DHAやEPAと同様に注目されるようになっています。
~必須脂肪酸の代謝経路~

肉・植物性油 魚・シソ科植物
リノール酸 α-リノレン酸
γリノレン酸
ジホモγリノレン酸 アラキドン酸 EPA→DHA
PG1シリーズ PG2シリーズ PG3シリーズ
(n-9系) (n-6系) (n-3系)
アラキドン酸は上記のように体内で合成されると言われていますが、この反応系は疾病時や加齢に伴い低下することがわかっています。また、栄養状態にも左右されるようです。
実際、認知症の人はこのアラキドン酸がとても少ないことがわかっています。さらに、アラキドン酸を摂取することにより、脳内のアラキドン酸が増加し、老化に伴う脳機能の低下を改善できることが動物およびヒトによる実験で明らかになりつつあります。
高齢な方でコレステロールが高いから等の理由で卵を控える方がいらっしゃいますが、アラキドン酸の不足から認知症を招きかねません。毎日1個卵を摂ってもコレステロールには影響ないので、むしろ毎日1個は認知症予防と思って摂っておいた方がいいでしょう。

にがり(ダイエット①)

にがり

最近、ダイエット食品として人気の「にがり」に物申す!

「にがり」とは
海水から食塩を精製する際にできる副産物。塩化マグネシウムが主成分で、その他にカリウムやカルシウムなど様々なミネラルを含んでいます。昔から豆腐を作るときの凝固剤として利用されています。
「にがり」でダイエットできますか?
答えはNoです。ダイエット効果を証明するような情報の根拠・エビデンスは存在しません。
見かけ上の体重減少(便秘改善作用)
では、なぜ誤解されるかというと、主成分のマグネシウムの作用の為と思われます。
マグネシウムは医薬品では「便をやわらかくする薬(下剤)」といて用いられており、便秘改善(もしくは下痢)による一時的な体重変化にすぎないのです。
サプリメントとしてのマグネシウム
マグネシウムは栄養機能食品としての表示が認められています。
上限・下限量:80~300mg
機能:マグネシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。
マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。
問題は過剰摂取!標榜されるダイエット効果!
下痢を起こすほど、にがりやマグネシウムを過剰摂取すれば糖質・脂質だけでなくビタミンやミネラルなどの吸収も阻害されるし、病気の方や薬を服用中の方においては健康被害を及ぼしかねません。アマメシバ・雪茶・中国製ダイエット食品など痩身効果を期待されたサプリメントでは健康被害が多数報告されています。
そもそも「痩身効果」を明確にしたエビデンス(ヒトでの科学的根拠)を持ったサプリメントはありませんし、表示してあるものは薬事法違反です。
適度に利用すれば・・
ストレス社会の現代、過食などによって体内のマグネシウムの排泄量は増えつつあります。1日あたり最大200mgのマグネシウムが余計に失われるといったデータもあり、日本人の食事摂取基準の目標1日300mgを食事で摂るのは難しいかも。
骨や歯を丈夫にしたい、強いストレスを感じる、便秘がちといった方はにがりやサプリメント(マグネシウム)を上手に利用していただきたいものです。

ガルシニア(ダイエット②)

飲むだけでダイエットできる、そんな便利なサプリメントはありません。ただ、効率よくダイエットをしたいなら効果のあるサプリメントもあるようです。ただし、くれぐれも過剰摂取にならないように。

「ガルシニア」とは
東南アジアやインドに自生するオトギリソウ科の常緑樹で、その果実の乾燥果皮は昔からカレーなどのスパイスとして用いられています。
脂肪合成を阻害
酸味成分の正体、ヒドロキシクエン酸(HCA)が体内の脂肪の合成を抑え、遊離脂肪酸の分解を促す作用があります。
食事から摂った糖質は細胞内のミトコンドリアによってエネルギーに変換されますが、過剰に摂った糖質はクエン酸を経て、脂肪酸という形で蓄積されます。その際、ATPクエン酸リアーゼという酵素が関与しているのですが、ガルシニアのHCAはこの酵素の働きをブロックしてくれます。ヒト試験において内臓脂肪の減少等が報告されています。
有酸素運動の30分以上前にとると、脂肪燃焼効果も高いようです。
でもダイエットしないと体重は減らない
ただし減量には効果がないことは示唆されています。先の理論でいけばダイエットしなくても体重が減りそうですが、そううまくはいきません。
過剰な糖質をどういう形で貯蔵するかというのが論点ですが、HCAは脂肪ではなくグリコーゲンへと流れを変えてくれるありがたいサプリメントです。でも、ダイエットをせずにどんどん糖質を摂りグリコーゲンも一杯になってしまえば、必然的に脂肪という形をとるしかないからです。
安全性
妊娠・授乳中の安全性に関してはデータがないため避けましょう。
ラットを使ったガルシニアパウダーの長期安全性試験において、HCAの大量摂取により、精巣の萎縮などの影響があるとの報告があります。現在、厚生労働省において、更に実施すべき試験として、ホルモン量に対する影響、原因物質の究継に取り組んでいます。継続的に摂取するサプリメントの目安として、HCAに換算して体重50kgの方で500mg~1500mg程度との記載があり、250mg~1000mg/日の摂取量なら問題ないと考えられているようです
医薬品との相互作用
アスピリンやサリチル酸との併用でそれぞれの医薬品の血中濃度が上昇するとの報告があります。

カルニチン(ダイエット③)

飲むだけでダイエットできる、そんな便利なサプリメントはありません。ただ、効率よくダイエットをしたいなら効果のあるサプリメントもあるようです。ただし、くれぐれも過剰摂取にならないように。今回紹介するカルニチンと前回のガルニシア両方入った商品なんかもあるようです。

「カルニチン」とは
エネルギーを生産するミトコンドリアに脂肪酸を運び込む働きのあるアミノ酸の一種です。昆虫の成長因子として発見され、骨格筋や心筋,肝臓などに存在し、「ダイエットに効果がある」「脂肪を燃焼させる」と言われています。ただし、ヒトでの有効性について信頼のできるデータはないようです。また、効果のあるのは光学異性体のL体の方のみです。
カルニチンが不足すると
脂肪酸からのエネルギーの合成が不十分となり、身体がエネルギー不足になる、体内の脂肪が燃焼されにくくなると言われています。体内のカルニチンの量は加齢とともに減少することがわかっており、これが中年太りの原因の1つではないかと考えられています。
体内にどれくらいあるの?
体内でもアミノ酸のリジンとメチオニンから肝臓で1日20mg近く合成されおり、成人の身体全体で20~25gほど蓄積していると言われています。
食品ではラム肉に多く含まれており、ジンギスカンのお店では「カルニチンたっぷり」なんてメニューに書いてたりしますね。食事からは100mg~300mg/日ほど摂取できるようです。サプリメントでは1日量500mg配合のものが多いようです。
安全性
○ 授乳中においては安全なようですが、妊娠中の安全性に関しては信頼のできるデータがないため避けましょう。
○ 経口摂取時の副作用としては悪心・吐き気、胸焼け、腹痛、下痢、体臭、痙攣が報告されています。
○ 慢性肝疾患の方は、カルニチン代謝の低下やカルニチン生合成の亢進などが考えられるので、服用は避けてください(禁忌)。
○ てんかん発作の既往のある方でカルニチン摂取により発作の頻度や重篤度が増えるとの報告があります。
医薬品との相互作用
海外で使用されている抗凝固薬のアセノクマロールとの併用でその作用を強めることが知られていますが、日本で使用されているワーファリンとの併用で同様の事がおこるかどうかは現時点では不明です。

白いんげん豆(ダイエット④)

「雪茶」による肝障害、「アマメシバ」による閉塞性細気管支炎。そして、今回、「白インゲン豆」による嘔吐・下痢等の消化器症状。その他、ダイエットを標榜する食品に医薬品成分が混入されていたものがいくつも公表されています。サプリメントによる健康被害はダイエット目的のものが非常に多いのが現実です。

「白インゲン豆」・インゲン豆抽出物(ファセオリン)とは
白インゲン豆はインゲン豆の白色種で、白金時豆や大福豆などがそれに当たります。
白インゲン豆には消化酵素α-アミラーゼの働きを抑制する成分が含まれており、その成分が白インゲン豆抽出物(フォセオリン)です。フォセオリンはアメリカでの特許成分の呼び名です。「炭水化物の吸収を遅らせる」「ダイエットによい」と言われています。しかし、ヒトでの有効性の十分なデータはありません。適切に摂取すれば安全性は示唆されているようです。
「白インゲン豆」による健康被害
平成18年5月6日に、TBS系の番組「ぴーかんバディ!」で紹介された調理法により調理した白インゲン豆を摂取した方が、嘔吐・下痢等の消化器症状を発症しました。
原因物質はインゲン豆中に多く含まれる「レクチン」。生のままや加熱不足のインゲン豆を摂取すると数時間(1~3時間)以内にひどい吐き気を発症した後、下痢・腹痛等の症状を発症します。
白インゲン豆による中毒を起こさないようにするには
レクチンはタンパク質なので十分に加熱すれば活性を失います。インゲン豆によって中毒を起こすことは昔から知られており、長年の経験で煮るという調理法でインゲン豆を食べてきました。よって、インゲン豆を食べる際には、十分に水に浸して戻した後、沸騰状態で柔らかくなるまで十分に加熱することが必要です。
ダイエットなど従来の伝統と離れた目的・方法の時は注意を!
例えば、ワラビは灰汁抜き(あくぬき)をして食べるのが伝統的な食べ方です。これは、ワラビに含まれる強力な発がん物質を分解・無毒化するためです。
冒頭紹介した「雪茶」「アマメシバ」も然りです。
「雪茶」の被害者は、「雪茶」を湯で煮出して1日約1Lを飲んでいました。しかし、本来の中国茶の飲み方は、茶葉を急須やコップに入れ熱湯を注いで、1回目を捨て2・3回目を飲むのが普通です。ダイエット効果をアピールする為か、通常行わないお茶の飲み方を薦めたのかもしれませんが。「アマメシバ」の被害者もマレーシア人の摂取量の約7倍以上を毎日(マレーシア人は週1回程度)摂取していました。
私たちは食のすべてが無条件で安全であるということはないということを再認識しておく必要があるのかもしれません。

グルコサミン/コンドロイチン効果

これまで変形性関節症治療におけるグルコサミンとコンドロイチンに関しては、効果の有無にさまざまな意見がありましたが、近頃ひとつの指標が示されました。

ユタ医科大学で膝の変形性関節症の患者1588名に臨床介入試験を行った結果、中等度~重度の痛みのあった患者では、グルコサミン1、500 mgまたは硫酸コンドロイチン1、200 mgを単独で服用した患者より、この二つを併用摂取した患者が優位に痛みを抑えたと言う結果が出ました。この鎮痛効果は、セレコキシブ200 mg(鎮痛剤)と比較しても、同等かそれ以上であったとされます。

セレコキシブは日本では高容量(400mg)で心臓発作のリスクを増大させるという懸念から承認が遅れていましたが、近頃承認されました。この薬よりグルコサミン/コンドロイチンの併用摂取が同等以上の効果があるのなら、これからサプリメントとして大ヒットするかもしれません。ただし糖尿病の疑いがある方はご注意を。

グルコサミンと糖尿病

比較的安全で副作用の少ない「グルコサミン」。ある文献では鎮痛剤と同程度の症状改善効果が得られており、体内でのグルコサミンの減少に伴う関節の痛みなどにはある程度、効果の期待できそうなサプリメントです。

「糖尿病の人は血糖値を上げる恐れがあり避けた方がよい」

グルコサミンは本体自体がブドウ糖とアミノ酸の複合体ですし、筋肉において糖利用の抑制効果が強力な為、血糖をさらに高くしてしまいます。その為、糖尿病を罹患している方は避ける、もしくは血糖値の変化に注意しておく必要があります。

K.Kさん(62歳 男性)の場合

<背景>

基礎疾患:高血圧、高脂血症、糖尿病
職業:運転手
嗜好品:タバコ、アルコール
夜勤など仕事でのストレスも多くタバコは止められないが基礎疾患はすべて薬で良好にコントロールできていたが、ドクターからはいつも食べ過ぎないように注意されていた。
年月 FBS(mg/dL) HbA1C(%) グルコサミン服用
2005年 7月 140 6.0 ×
2005年10月 114 6.5
2006年 3月 165 7.3
2006年 5月 129 6.7 ×
2006年 9月 126 6.7 ×

2005年10月にHbA1Cが6.5%に上昇、2006年3月にはHbA1Cが7.3%とさらに上昇。

会話の中でグルコサミンを腰痛にて服用していることが判り、相談の上、グルコサミンを中止。その後、HbA1Cは6.7%に下がる。まだ高めなので食事・運動のアドバイスを継続中。

この症例での血糖上昇の原因はグルコサミンだけではないかもしれません。しかし、グルコサミンが血糖代謝を悪化させることはよく知られており、HbA1Cが悪化するような場合は中止して食事改善に取り組む方がよいと思われます。ちなみに、「コンドロイチン」は血糖代謝を悪化させないので大丈夫です。

えび、かにアレルギーの方はご用心

薬局窓口での初回問診の時にアレルギーをお聞きするのですが、えび・かにが駄目との方が結構いらっしゃいます。

今のところ、えび・かにのアレルギーで駄目な医薬品はありませんが、サプリメントでは要注意です。

キトサン
コレステロールが高めの方に(トクホ)でお馴染みのキトサン。胆汁酸と結合してそのまま排泄、結果、原料の血中コレステロールが下がるという仕組み。その他にも、食事で摂取した脂質を吸着する、高めの尿酸値も下げてくれるとの報告もあるようです。生活習慣病を予防したい方にはおすすめですが、えび・かにアレルギーの方はご用心!キトサンは、えび・かにの殻に含まれるキチンと呼ばれる繊維成分を加工したものですので。
グルコサミン
関節の痛みに対して、人気のあるサプリメントのグルコサミン。これもえび・かにの殻に含まれるキチンを利用していますので、キトサン同様に注意が必要です。
原材料の確認を!
特にアレルギー体質の方は、商品を購入の前に必ず原材料の確認をしてください。

大豆イソフラボン

エストロゲン(女性ホルモン)類似の植物成分。一時期、その摂取量について話題になりましたが、食品から摂る分には問題はないようです。サプリメント利用者は、摂取目安量を守るようにしましょう。

植物性ポリフェノール
大豆の胚芽に含まれる植物性ポリフェノールの1つで弱い女性ホルモン様作用と強い抗酸化作用を持つこと知られています。
女性ホルモン調節作用
女性ホルモン様作用といっても、その様式は2つあります。エストロゲンが少ない場合はその作用を補い、多すぎる場合はその作用を弱める効果があります。更年期症状や生理痛、PMS(月経前症候群)、骨粗しょう症、さらには美肌効果まで様々な報告があります。
摂取の目安
サプリメントで摂取する場合、40mg/dayを目安として、1日2~3回に分けて摂取しましょう。
注意が必要な方
○ 乳がんなどホルモンが関与するがんリスクを増大させる恐れがあるので、乳がんの方や家族歴のある方は注意が必要です。
○ 腎臓結石のリスクを増大させる恐れがあります。
○ 大豆食品の大量長期摂取により、甲状腺機能が低下する可能性が示唆されています。
○ 妊婦や授乳婦、大豆アレルギーのある方は摂取を控えましょう。
医薬品との相互作用
○ 「ノルバデックス」(乳がん治療薬)の効果減弱が確認されている。食品から以外の摂取は控えましょう。
○ 大豆に含まれる大豆タンパクで、ワーファリンや鉄剤に影響を与えることがあります。
○ クズのイソフラボンでは、経口避妊薬(ピル)の効果の減弱が指摘されています。

サメ軟骨

患者背景
50歳女性。関節リウマチ治療中。
服用している薬
  1. プレドニゾロン錠5mg 1T 朝食後
  2. リウマテレックスカプセル2mg 4T/week
  3. フォリアミン錠5mg 1T/week
健康相談
手指関節の痛みがつらく、友人の勧めで「サメ軟骨」の摂取をはじめる。
症状は和らいだものの服用後に、「ふらっとなる」との内容にて相談を受けました。
サメ軟骨の効用
サプリメントで摂取する場合、40mg/dayを目安として、1日2~3回に分けて摂取しましょう。サメ軟骨の成分である「コンドロイチン」や「グルコサミン」による関節の痛みの緩和が期待されています。
また、抗がん作用もあるとの説もありますが、その科学的根拠はないようです。
サメ軟骨の副作用
サメ軟骨はカルシウムを多く含んでいるので「高カルシウム血症」の方は摂取してはいけません。副作用としては、口中の不快感・吐気・消化不良・便秘・低血圧・めまい・高血糖・高カルシウム血症などが報告されています。
また、急性肝炎の発症例も報告されています。糖尿病や低血圧、肝機能障害のある方は注意しましょう。
健康相談 回答
サメ軟骨の副作用を紹介。血圧を伺うと、もともと低血圧傾向とのことでした。
サメ軟骨摂取中止により、ふらつき・めまいは改善したとの事でした。
リウマチなど痛みを伴う疾患の治療では、症状の改善がイマイチだとサプリメントを試してみようという方が多くいらっしゃいます。今回のように効果はあっても、身体の調子に異変を感じる方は、ぜひ、かかりつけ薬剤師に相談してみましょう。

ノニジュース

独特の臭いのノニジュース。「糖尿病によい」「血圧を下げる」「免疫力が上がる」「心臓病によい」「ガンの予防によい」「美容や健康によい」などと言われています。

カリウムが豊富
「血圧を下げる」と言われますが、カリウムを豊富に含むので、理論上なるほどという感じ。ただし、アルダクトンAなどのカリウム保持性の利尿剤やセララ、ACE-I、ARBといった分類の降圧剤を服用の方は「高カリウム血症」に注意が必要です。また、慢性腎臓病にて治療中の方も同様に注意が必要です。
採血の結果で、「カリウムが高い」「腎臓が悪くなっている」と言われている方は、注意が必要。カリウムは心臓や腎臓の働きに重大な影響を及ぼします。
マズイ!
ノニの果実をしぼった100%ジュースもありますが、くせのあるチーズのような独特な臭いを和らげるために他の果汁とブレンドしたジュースもあります。ここで、問題となるのがブレンドにグレープフルーツジュースが使われることがあることです。
「グレープフルーツジュースは飲まないでください」と注意を受ける薬は数多くありますし、今後も増えていくと思われます。ぜひ、主成分以外の原材料をお確かめの上、かかりつけ薬剤師に相談しましょう。
その他の安全性情報
安全性は高いが「肝障害」との関連が疑われる報告があります。
月経促進作用があると言われているので、妊娠中の摂取は危険です。

アロエ

切り傷にアロエなんてよく耳にします。アロエは古代エジプト由来のハーブで便秘や火傷、消化不良などに用いられてきたようです。最近はサプリメントとして便秘解消を期待されているようです。

サプリメントとしてのアロエ
数百種あるアロエの中で、キダチアロエという品種がサプリメントとして利用されています。その苦味成分が大腸内の水分量を増やして排便を促すようです。
安全性
短期間の服用なら問題はないようですが長期の過剰摂取は控えましょう。
腎疾患、胃腸障害のある方は避けておきましょう。また、アロエは身体を冷やす作用があるので月経・妊娠中の服用も控えておきましょう。
医薬品との相互作用
いずれも作用機序は不明ですが、下記の医薬品とは相性が悪いようですので併用は避けましょう。
ジギタリス製剤・抗不整脈薬⇒心毒性・不整脈の誘発
ステロイド・利尿剤⇒低K血症

乳酸菌

便秘や下痢症などに昔から利用されている乳酸菌。医薬品やトクホで多様な乳酸菌(の菌株)が販売されていますが、第3次機能として様々な効果が期待されているようです。

医薬品やトクホとしての乳酸菌
腸内の善玉菌を増やし、腸内の環境を良くします。その結果、便秘や下痢、抗生剤服用で腸内細菌叢が乱れた状態を改善します。乳酸菌の菌株をどれだけ生きたまま腸内に届けるかというところが従来の争点でした。
菌株により効果が違う!
菌株によってはピロリ菌の増殖を抑えるなんて実験の様子をテレビで見た方もいらっしゃると思いますが、今注目されている作用の1つに抗アレルギー作用があります。
身体全体の免疫に関与する腸管免疫細胞に働きかけ、アレルギーになりにくい体質になるのでは?と考えられているようです。花粉症などのアレルギー疾患の方への吉報となればよいのですが。
医薬品との相互作用
特に大きな相互作用はありせんが、乳酸菌飲料の多くは鉄やカルシウム、マグネシウム、アルミニウムといったミネラル成分が含有されているので、一部の抗菌剤との併用は避け、時間をずらして服用した方がいいでしょう。

ポリフェノール

「ポリフェノール入り」なんてフレーズをよく耳にします。赤ワイン・ココア・カテキン・グァバ茶などなど。少し前に話題となった緑茶のカテキンや大豆のイソフラボンも仲間なんです。

化学物質の総称
ポリフェノールとは、ベンゼン環に水酸基が2つ以上くっついた分子構造を持つ、化学物質の総称を指します。
この定義で分類すると、身体によくない多くの物質も含まれてしまいますが、巷で話題となる成分は、食品中のポリフェノールを意味しています。
フラボノイド類と非フラボノイド類
ポリフェノールの種類は非常に多く、カテキンやイソフラボン、アントシアニンなどを含むフラボノイド類だけで4千種類以上あると言われています。
非フラボノイド類もタンニン・セサミンやセサミノールなどのリグナン・クルクミンなど多くの種類があります。
フレンチ・パラドックス
ポリフェノールが健康に良いといわれるきっかけの1つに「フレンチ・パラドックス」があります。
赤ワインのポリフェノールがLDL-C(悪玉コレステロール)の酸化を防ぎ、結果として、欧米諸国並みに肉を食べているにもかかわらず、動脈硬化を少なくする。
抗酸化作用の他にも、ポリフェノールの種類によっては抗菌作用や血糖効果作用など様々な効果が確認されつつあります。
日本人も昔から、お茶(カテキン)や大豆食品(イソフラボン)などでポリフェノールを食していて、それこそが日本版フレンチ・パラドックスといったところでしょうか?

にんにく(ガーリック)

ニンニクといえば、スタミナをつける身近な食品というイメージですが、これも海外では医薬品として承認されるほどの効果のあるハーブなんです。

何に効くの?
ドイツでは、血液中の脂質を下げて、老化による血管の変化を予防する効能が認められている医薬品です。また、ニンニクの臭いの成分であるイオウ化合物が、その強力な抗酸化作用で、大腸がんや胃がん、前立腺がんの予防に効果があると言われています。
また、現時点の報告では、糖尿病やピロリ菌感染、乳がんの予防には効果がないようです。
副作用
通常の食事に入っている量は問題ないと言われていますが、大量に摂取した場合に副作用として、腹痛や腹部膨満、胸焼け、吐き気、下痢などの胃腸障害が報告されています。
小児・妊婦・授乳婦は避けましょう
小児:大量摂取で危険性が示唆されている。
妊娠中:大量のニンニクは子宮を収縮させる生理活性があると言われています。
授乳中:大量摂取で母乳中に移行する可能性がある。
相互作用
ハーブは「医薬品との相互作用」が多いものが多く、ニンニクもその1つです。
  1. ワーファリン、アスピリン:いわゆる血液をサラサラにする薬です。これらの薬剤の作用を 強めてしまい、出血傾向を助長させる恐れがあります。
  2. 免疫抑制剤(シクロスポリン)・抗HIV薬・経口避妊薬:(SJWの時と同じように)薬物代謝酵 素を誘導してしまい、医薬品の効果を弱めてしまいます。

*熟成ニンニク抽出液は、この作用減弱を引き起こさないとの報告もあり、製法により安全性に差があるようです。

葉酸②

葉酸が不足すると古典的な欠乏症として「赤芽球性貧血」が知られていますが、最近の話題として葉酸で紹介した神経管閉鎖障害による催奇形性血中ホモシステインで紹介した動脈硬化の危険因子といった新しい欠乏症も知られてきています。

所要量
血のビタミンとも呼ばれる葉酸。赤血球の生産はもちろん、タンパク質と核酸の合成に関与し、細胞分裂や発育を促進します。1日成人0.2mg必要といわれていますが、この値は諸外国の半分です。妊娠を希望する女性に対しては、サプリメントから0.4mg/dayで当時の厚生省より通知が出ています。( 葉酸 を参照ください)
葉酸の特徴
壊れやすく、吸収しにくく、体内で減少しやすいといった性質があります。
食品中の葉酸は分子がいくつも結合しており、細かく消化していると1/3は吸収されずに排泄されているようです。
サプリメントとしての葉酸
その点、サプリメントははじめから細かく分解されており、吸収しやすい形になっています。

ウコン

アルコールにおすすめのサプリメントとして「ウコン」をよく耳にします。また、薬店などにおいて、「飲みすぎで肝機能が気になる人」「胃痛・胃もたれなどの胃症状のある人」におすすめなどのポップも目にします。「ウコン」と言えば通常は「秋ウコン」を指していて、その他に春ウコンや紫ウコン(ガジュツ)がサプリメント用として栽培されています。

ウコン(秋ウコン)
香辛料として用いられるウコンは、俗に「肝臓の機能を高める」と言われています。
消化不良や消化機能不全においてヒトでの評価を示す文献があり、ウコン色素のクルクミンによる胆汁排泄促進作用などが動物実験等で多数報告されています。このクルクミンの含有量が他のウコンに比べ多いことが秋ウコンの特徴の1つです。
肝障害、ウコン服用にて悪化
2004年10月の新聞報道より
「肝硬変の60代の女性が、ウコンを粉末にした健康食品の摂取をきっかけに症状を悪化させ死亡。このケースを含め1996年以降18人が、ウコンなどの健康食品との因果関係が疑われる肝障害を発症していたことが、東京逓信病院が同病院に行った調査により判明」
死亡した肝硬変の女性は、粉末ウコンを毎日スプーン一杯服用し、約2週間後から症状が悪化し、約3ヶ月後に死亡。また、別の肝硬変の60代の男性は、ウコン服用にて肝性脳症で入院。その後、ウコン中止と治療により回復。その他、B型・C型肝炎の患者において症状が悪化するなど、ウコンとの因果関係が否定できないものが計11例報告されている。ウコン以外では霊芝、田七人参、黒酢などで7例の肝障害の報告があり、合計18人のうち14人はもともと肝臓に疾患があり、肝疾患のある方はこれらのサプリメントの摂取は控えた方がよいでしょう。
~肝臓が悪いときは、ウコンをはじめ、シジミやレバーといったが食品よいと言われていますが、これらは鉄を豊富に含んでいます。最近では、鉄過剰を防ぐために、C型肝炎の患者さんに対して鉄制限の食事指導を行っている病院もあり、これらの食品は要注意となっています。~
その他の安全性
先日、「最近、胸焼けがするようになった。」との事で、60代女性の患者さんにお薬をお渡しした際に、「薬と関係ないんですが、聞いてもいいですか?」と相談を受けました。
その内容は、以前より胃もたれがするのでウコンを服用していたが、目安量よりかなり少なめに摂っていたのを目安量くらいまで増やしたことと、胸焼けが関係あるか?との内容でした。ウコンは胃潰瘍または胃酸過多の人には禁忌となっています。この患者さんは、胃潰瘍歴はないものの、胃酸過多が以前より指摘されているとの事だったのでウコン摂取を控えるようにお話しました。また、胆道閉鎖症の人にも禁忌とされていて、胆石症の方も注意した方がいいでしょう。

漢方薬としてのウコン

生薬としてのウコン
以前紹介したウコン。「漢方薬」としての顔を紹介します。
ウコン(秋ウコン)
サプリメントとして人気のウコンは「肝臓の機能を高める」と言われています。
消化不良や消化機能不全においてヒトでの評価を示す文献もあります。ただし、肝疾患のある方や胃潰瘍または胃酸過多の人、胆道閉鎖症、胆石症の方などは避けておいたほうがよいことがわかっています。(ウコン参照)
漢方薬としてのウコン
漢方での生薬名を「姜黄(きょうおう)」と言います(なるほど黄色い生姜か~って感じですよね)。性質は「寒性」で内臓の熱を冷ます生薬になります。肝炎などには良さそうな性質ですが、この性質により胃の不調を訴えるケースをよく見かけます。お腹が冷えると調子を崩す方などには不適ということになります。また、「六君子湯」や「人参湯」、「安中散」といった漢方が合うような方には、ウコンは不適と思われます。なぜなら、例えば「安中散」は胃を強力に温めて機能を回復させる方剤だからです。

薬じゃないから大丈夫

よく服用しているサプリメントをお伺いすると、「薬じゃないから大丈夫でしょ?」との返事が返ってきます。日本ではサプリメントでも海外では医薬品ということもあります。また、医薬品と同じような作用を持っている、医薬品と同じように代謝されるなんて事もよくあります。

薬物代謝酵素
脂溶性の医薬品の多くは肝臓にて代謝されて、水溶性になって排泄されるのですが、その際に活躍するのが薬物代謝酵素「CYP(シップ)」です。サプリメントを服用した際に、このCYPのお世話になるものがあり、その過程は医薬品と何ら変わりはなく、結果、CYPを奪い合う形となって相互作用を引き起こす事もあります。
ハーブは要注意
薬物代謝酵素にて代謝されるサプリメントの代表的なものにハーブがあります。
次に ハーブ名(期待される効果)関与する薬物代謝酵素の種類 を記します。
イチョウ葉(痴呆症の改善)CYP3A4
エキナセア(天然のかぜ薬)CYP3A4・1A2
キャッツクロー(関節痛・リウマチ)CYP3A4
ニンニク(抗がん・抗動脈硬化)CYP3A4
バレリアン(不眠症)CYP3A4
マリアアザミ(肝機能改善)CYP2C9・3A4
セントジョーンズマート(抗うつ)CYP3A4・1A2・2C9・2C19*誘導(CYPが増える)
サプリメントと医薬品を併用している方や併用しようと考えている方は、ぜひ、かかりつけの薬剤師にご相談ください。
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